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【Insight】成果を出すコンサルの使い方

全国1万人調査から読み解く、コンサル活用で失敗しないための3つのポイント

コンサルは「使っている会社」より「悩んでいる会社」の方がまだ多い

「そろそろコンサルを使ってみようか」――そう思ったとき、どれくらいの企業が実際に動いているのでしょうか。ラグナグ・コンサルティングは2025年10月、正社員・契約・派遣・経営者・役員を含む全国の会社員1万人を対象に「コンサル利用実態調査」を実施しました。

結果から見えてきたのは、コンサル活用がまだ一部の組織・担当者に集中しているという現実です。「過去3年以内に利用したことがある」は全体の12.4%(約1,243人)。一方、「検討したが利用しなかった」は8.2%(約821人)で、必要性は感じながらも実際の契約まで踏み込めなかった企業が約1割存在します。コンサルを検討したことはある、でも決断できなかった――そういう経験をお持ちの方の方がまだ多い、というのがデータの実態です。

業種別に見ると、コンサル利用率が最も高いのは農業・林業・漁業・鉱業(33.3%)です。次いで不動産業(17.1%)、金融・証券・保険業(16.4%)、情報通信業(16.1%)と続きます。

一次産業の高さは一見意外ですが、いくつかの背景が考えられます。補助金申請に事業計画書が必要なケースが多いこと、6次産業化や事業承継といった「今までと違う経営判断」を迫られる局面が増えていること。加えて、一次産業の法人は従業員規模が小さく、「コンサルを使う立場に近い人」が回答者に多いという構造的な要因も、数字の高さに影響している可能性があります。

部門別では、「営業・営業企画部門」(15.3%)が最多で、「情報システム(IT)部門」(13.0%)、「経営企画・事業企画部門」(12.3%)がそれに続きます。この3部門だけで利用者全体の約4割を占めており、売上・DX・経営方針といった経営の中核テーマと外部知見の活用が密接につながっていることを示しています。

「人手が足りない」「知識が足りない」は、コンサルを使う正当な理由

コンサルを利用した300人に依頼目的(複数回答)を尋ねると、「人手不足や工数不足を補うため」が45.7%でトップに立ちました。次いで「自社にない専門知識や業界知見を補うため」(43.0%)、「短期間で成果を出すための外部リソースとして活用したい」(41.0%)、「プロジェクトの遅延・停滞を立て直すため」(37.5%)と続きます。

「コンサルに頼むほどの話ではないかも」と躊躇する方も多いですが、データを見ると、大半の企業が「社内リソースでは前に進めない」という切実な状況から動き出しています。特に「プロジェクトの停滞を立て直す」が4位に入っている点は重要です。コンサルは「戦略を描く人」だけではなく、「すでに動いているプロジェクトを救い出す人」としても活用されています。

依頼テーマ(複数回答)では「新規事業開発・事業創出」(30.7%)と「IT・DX推進」(30.0%)が首位ですが、「商品・サービス戦略」(26.7%)、「営業戦略・販売戦略」(26.0%)、「マーケティング戦略」(25.0%)と、収益に直結する幅広いテーマで外部知見が活用されていることがわかります。

コンサル選びは「有名かどうか」より「自社の課題に合っているか」

では、実際にコンサルを使った企業はどうやってコンサルを見つけたのか。「以前に接点があり、継続して声をかけた」(39.5%)と「過去に取引・利用したことがあるため」(37.9%)が上位を占め、既存の関係性からの再発注が主流です。「役員・上司からの紹介・推薦」(30.5%)や「取引先・パートナーからの紹介」(33.6%)も多く、コンサルとの最初の出会いは紹介ネットワーク経由が大半です。

初めてコンサルを使う場合、既存の紹介ルートがなければウェブ検索(14.1%)やセミナー・講演会(26.2%)、業界誌・Webメディア(20.3%)が入口になります。どこで情報を得るにしても、重要なのはその後の「なぜ選んだか」です。

選定理由(複数回答)のトップは「専門知識やノウハウが豊富だと感じた」(50.4%)。「提案内容が具体的で納得感があった」(40.2%)、「金額・コスト感が妥当だった」(37.9%)と続きます。注目すべきは「コンサルティング会社の知名度が高かった」は12.1%、「大手・規模の大きい会社で安心感があった」は8.6%にとどまる点です。ブランドの大きさよりも「自社の課題に合っているか」「提案が具体的か」「コストが見合うか」という実質的な判断で選ばれているようです。

発注規模については、1案件あたりの最大金額で「100万円以上500万円未満」(22.7%)と「500万円以上1,000万円未満」(22.7%)が並んで最多。100万円以上3,000万円未満に全体の62%が集中しています。「コンサルは大企業のもの」というイメージがあるかもしれませんが、売上高100億円未満の企業が利用者全体の32.7%を占めており、中堅・中小規模の企業にとっても現実的な選択肢です。費用規模のハードルは、想像より低いかもしれません。

コンサルが「使えた」「使えなかった」を分けるものは何か

コンサルを利用した300人のうち、「想定以上の成果があった」は34.0%、「想定通りの成果があった」は55.3%。9割近くがポジティブな評価をしていますが、「想定を下回る成果だった」という回答も10.7%(32件)存在します。失敗した理由を深掘りすると、コンサル選びと活用において「何を確認すべきか」が見えてきます。

失敗の1位は「現場を理解していなかった」(43.8%)です。提案の論理や知識量の問題ではなく、自社の実情・現場の制約を把握していないまま進められることが最大の不満です。「提案が抽象的で実行に結びつかなかった」(31.3%)も上位に挙がっており、「報告書はもらったが何も変わらなかった」という体験は、実際に少なくありません。

一方、成功要因の1位が「担当者とのコミュニケーションが良好だった」(50.4%)であることも見逃せません。コンサルを使う前の段階で、「担当者が現場の話を聞く姿勢があるか」「対話が成立するか」を最初の打ち合わせで確認することが、成果につながる最初の一手です。

ここで一つ注意が必要です。「伴走型」と名乗るコンサルは近年急増していますが、その実態は「動いてはいるが、意思決定の核心からはずれたところで作業が膨らむ」ケースが少なくありません。データが示す「現場を理解していなかった」という失敗は、そうした形式的な伴走型支援が引き起こすことも多数見てきました。経営課題の解決は、正しい答えを出すことより、それを組織に通すことの方が難しい場面が多い。総論賛成・各論反対、声の大きいステークホルダー、部門間の利害対立――こうした現実に揉まれていないコンサルは、どれだけ優れた提案をしても「絵に描いた餅」で終わることがある。意思決定者として自らその場に立ったことがあるかどうかが、アウトプットの質を大きく左右します。

「使わなかった」企業が抱えていた悩みは、あなたの会社と同じかもしれない

今回の調査では、コンサルを「検討したが利用しなかった」200人のデータも収集しました。この層の企業規模では「売上高100億円未満」が50.5%(利用経験者では32.7%)と過半数を占めています。費用対効果が見えにくい中堅・中小規模の企業が、検討の壁を越えられずにいる姿が浮かび上がります。

彼らが検討していたテーマの上位は「営業戦略・販売戦略」(26.0%)、「商品・サービス戦略」(19.5%)、「経営戦略・事業戦略の策定」(19.0%)。コンサルを実際に使った企業が多かった「新規事業開発」(利用者30.7% vs 非利用者15.0%)や「DX推進」(30.0% vs 16.5%)よりも、より足元の業績課題で悩んでいる企業が多いことがわかります。

「必要性は感じているが、費用・成果・自社との適合性に確信が持てない」――この躊躇は、データが示す「使わなかった」企業の共通心理です。もしそういった疑問があるなら、コンサルに率直にぶつけてみるのが一番です。費用対効果をどう考えているか、自社の状況にどう対応できるか――その問いに誠実に答えられるコンサルかどうかが、選ぶ際の一つの判断材料になります。

一度使った企業の96%が「また使いたい」。次に求めるのは「実行まで動いてくれるか」

コンサルを利用した300人にリピート意向を尋ねると、「是非また利用したい」が50.3%、「提案内容によってはまた利用したい」が46.0%と、実に96%以上が前向きな回答をしています。初めてコンサルを使うことに躊躇している方にとって、これは参考になるデータではないでしょうか。一度使った企業のほぼ全員が「次もある」と感じていることは、コンサル活用の価値を物語っています。

また利用したい理由(複数回答、N=151)の上位を見ると、「自社にない専門知識やノウハウを持っている」(51.0%)が首位。「他社・業界の事例に詳しく、比較の視点を提供してくれる」(43.7%)、「新しい発想や視点を与えてくれる」(42.4%)、「スピーディーに対応してくれる」(41.1%)、「実行まで伴走してくれる(絵に描いた餅で終わらない)」(40.4%)と続きます。

「また使いたい」と思わせるコンサルに共通するのは、専門知識だけでなく「一緒に動いてくれる」「スピードがある」「具体的な行動につながる」という実行力の側面です。コンサルを選ぶ際には、「提案書を出してもらうだけでよいのか、それとも実行まで一緒に動いてほしいのか」を事前に明確にしておくことで、期待とのズレを防ぐことができます。

コンサルを使う前に確認したい、3つのチェックポイント

今回の調査データをもとに、コンサル活用で失敗しないために事前に確認しておきたいポイントを3つにまとめます。

① 「現場まで降りてきているか」を提案段階で確認する
失敗の最大原因は「現場を理解していなかった」。初回の提案や打ち合わせの段階で、担当者が自社の現場・業務・組織の実情を理解しようとしているか、対話の姿勢があるかを確認してください。抽象的な言葉が多く、内容が自社ではなく他社の名前でも成り立ちそうだと感じる提案は要注意です。

② 「提案で終わるか、実行まで動いてくれるか」を最初に決める
コンサルに求めるものは「分析・戦略の立案まで」なのか、「実行の伴走まで」なのかを、依頼の最初に明確にしましょう。成功企業の約4割が「実行まで伴走してくれた」を成功要因に挙げており、また使いたい理由の上位にも「絵に描いた餅で終わらない」が入っています。期待値のすり合わせが、成果の差を生みます。

③ 「大手・有名」より「自社課題に近い知見があるか」で選ぶ
知名度や規模は選定理由の下位に位置します。「自社課題に近い実績があった」(31.3%)や「専門知識が豊富」(50.4%)、「提案が具体的」(40.2%)が実際の決め手です。まず「自分たちの課題に近い知見を持っているか」を軸に探してみると、思わぬ適合を見つけることがあります。

コンサルティングに求められる役割は変化しています。「高い視座からの分析と提言」だけでは不十分で、クライアント組織の現場に入り込み、実行の制約も含めて一緒に前に進む価値提供へのニーズが、データの随所から読み取れます。「コンサルを使ってみたいが、うまくいくか不安」という方も、今回の調査が示す3つのチェックポイントを選定の参考にしていただければ幸いです。

ラグナグ・コンサルティングが考えること

「自ら事業を運営したことのない人が、経営を語れるのか?」この問いが、ラグナグ・コンサルティングの出発点です。だから私たちは100%子会社「事業工房(ザモスキ・ワークス)」を設立し、クライアントと同じ制約条件の中で自ら事業を運営しています。 私たちが目指すのは「水先案内人型」のコンサルティングです。判断が求められる局面に実行責任を共有しながら一緒に立ち、自走できる状態になったら手を離す。そして、今解くべき一点に踏み込む「適時適解」を大切にしています。

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■ 調査概要
調査名:コンサル利用実態調査
実施時期:2025年10月
調査対象:全国の正社員・契約・派遣社員・経営者・役員(22〜65歳)
スクリーニング N=10,000 / 本調査①(コンサル利用経験あり)N=300 / 本調査②(検討・未利用)N=200
本調査はラグナグ・コンサルティング株式会社がコンサルティング業界の実態把握を目的として自主実施したものです。

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